『里地里山保全活用行動計画(H22.10環境省)』推進に向け、平成24年度から行われてきた「国土レベルでの里地里山保全に関する検討を踏まえ、「自然環境」・「野生動植物」・「生態系ネットワーク」という3つの観点から「生物多様性保全上重要な里地里山(=「重要里地里山」)」を全国で約500ヵ所選定する作業を行った。「地域情報による選定」・「全国データによる選定」という大きく2つの方法で選定を行うこととし、それぞれの方法で抽出した候補地について、地域別に、専門的知見に基づく生物多様性の状況の確認・評価、選定地案の確定を行った。また、それらの情報を解析した選定地の課題の類型化を行うとともに、選定地案一覧・全国マップ、データベースを作成した。
『里地里山保全活用行動計画(H22.10環境省)』推進に向け、平成24年度より「国土レベルでの里地里山保全のビジョン」について検討が始まった。良好な里地里山を次世代に継承するため、いかに保全活用を国民的運動として展開できるかが課題とされている。
そうした背景のもと、本業務では、里地里山に関わる多様な主体が納得できる「重要性」を国家的・社会的課題である「生物多様性保全」とし、「生物多様性保全上重要な里地里山(重要里地里山)」の選定を通じて、里地里山を国土の自然環境の骨格をなすものの一つとして位置づけるとともに、選定・公表を通じた里地里山への国民理解の醸成、保全活用の取組促進を目指すこととした。本選定にあたっては、有識者による検討会議での検討を踏まえ、自然的・社会的な面から総合的な評価が行われるよう選定方法について検討を行い、評価の指標・基準案を作成した。
環境省が三陸の復興のために整備検討を進めている「みちのく潮風トレイル」は、青森県八戸市から福島県相馬市までをつなぐ約700kmの長距離自然歩道である。平成27年度末までに順次開通予定で、第一次(25年度秋)として八戸市から久慈市区間、第二次として、普代村から宮古市、釜石市から大船渡市、新地町から相馬市の区間の開通を予定している。
業務では、このうち青森県八戸市から岩手県久慈市区間、釜石市から大船渡市区間の路線検討を行うため、自治体ごとに地元関係者を集めたワークショップを実施し、講師による先進事例の紹介や、候補路線案の検討やトレイルを歩く人のサポート方法やしくみについて議論を行った。確定した候補路線については、管理者一覧表及び管理区分を示した地図を作成するとともに、現地調査で得られた資源や課題箇所の情報をGISデータとして整理した。
平成24年度の離島振興法改正により、国は、離島地域において交流促進や定住促進等を重視するソフト施策の充実を図ることになった。
本業務は、離島地域の自立的発展に向け地域主体で行われる取組(「島づくり・人づくり」と呼ぶ)をサポートする新たな仕組みのあり方を示すことを目的として実施したものであり、離島関係者が集まって課題解決策を議論する全国ワークショップ、東京都三宅島、長崎県小値賀島・宇久島をモデル地区とした地区別の課題解決ワークショップ、アドバイザーの派遣などを試行し、島づくり・人づくりサポートのための新たな仕組みを検証し、新たな仕組みの実現に向けた課題をとりまとめた。
環境省が三陸の復興のために進めている「グリーン復興プロジェクト」の一つ「東北海岸トレイル(現・みちのく潮風トレイル)」は、青森県八戸市から福島県相馬市までをつなぐおよそ700kmの遊歩道。本業務では、このトレイル構想についての地元の方との意見交換や現地調査、路線候補の検討を実施。また、トレイルや地域のことをより多くの人に知ってもらうため、トレイルをモニターに歩いてもらい、現地で体験したことを日記にしてウェブサイトから発信した。
みちのく潮風トレイルHP:http://www.tohoku-trail.go.jp/
平成22年に作成した『里地里山保全活用行動計画』の推進に向け、有識者による検討会議で検討を行った。地域の担い手が減り続ける里地里山においては、都市住民や企業など多様な主体を巻き込んだ保全活用の展開は重要な課題であることから、本業務ではこうした保全活用のあり方を「新たな共同利用」と位置付け、地方自治体を中心として地域ならではの里地里山づくりを実践するための参考手引書を作成した。また、国土の約4割という広大な面積を占める里地里山について、国として里地里山保全管理のビジョンを示す必要性が高まっていたことから、「国土レベルでの里地里山保全のあり方」について整理・検討を行い、国の里地里山保全活用の方向性を示す「里地里山保全のグランドデザイン策定」にかかる提案を行った。