本業務は昨年度のフォローアップを目的に、県内全域の交通安全対策検討に関連し、危険な区間の抽出、安全対策の効果検証、委員会資料の作成を行った。区間の抽出には、県内の事故特性(事故類型)を考慮して昨年度設定した項目を使用した。安全対策の効果は、対策実施前後による死亡事故、死傷事故の件数の変化より検証を行った。
都市部の自治体の管理道路について、道路施設全般(舗装、街路灯、擁壁等)を対象に、管理計画、長寿命化、コスト縮減、年間修繕費用の平準化について検討を行った。このうち、幹線道路の舗装は予防保全型管理の導入を想定し、路面性状調査に基づくひび割れの劣化予測、修繕候補箇所の優先度評価、今後の修繕費用の試算を行った。街路灯、擁壁等は点検結果により措置を講じる従来の管理(事後保全型管理)を行うものとし、修繕候補箇所の優先度評価、修繕費用の試算を中心に検討を行った。
関東地方のM市の管理道路を対象に、路面性状調査結果に基づく舗装のひびわれ等の現状を整理するとともに、他事例の舗装劣化予測式より、幹線道路の舗装のひび割れの推移と修繕費用の予測を行った。また、修繕候補箇所の優先度評価、今後10年間の修繕費用の試算を行った。
国内の自転車事故の多い路線・区間について、自転車通行帯の整備前後の自転車関連事故の発生地点、事故類型をGISデータで作成し、自転車通行帯の整備形態、供用年次等とともにカルテ形式で整理した。また、抽出した自転車事故多発箇所についてGISの位置図を作成し、航空写真、現地写真、事故類型の整理を行った。
寒冷地の自治体の管理道路を対象に、他事例の舗装劣化予測式より、幹線道路の舗装のMCIの推移と修繕費用の予測を行った。寒冷地のため、わだち掘れの損傷が卓越しており、ひび割れの指標に限定せず、総合指標となるMCIを用いることとし、劣化速度はひび割れに準拠するものとして想定した。
県東部に位置する自治体の管理道路について、道路ストック総点検結果に基づき道路照明、道路標識の現状を整理し、補修候補箇所の優先順位に関する検討を行った。また、他の検討事例における補修単価を用いて、今後の年間平均維持費の算出およびコスト縮減額の試算を行った。