くじゅう地域では、登山客が集中するミヤマキリシマ開花期と紅葉期に多くの路上駐車が発生しており、阿蘇くじゅう国立公園満喫プロジェクトオーバーユース対策部会(事務局:大分県)において、パーク&ライドや利用導線コントロール等の検討として、主要登山口をつなぐ周遊バス運行の実証実験が行われている。本業務はその一環として、くじゅう登山で主に利用される道路(やまなみハイウェイ)の路上駐車状況の現地調査を同時期に実施し、今後の対策手段を検討・検証するためのデータ集計・整理を行った。
奄美の世界自然遺産は、令和3年7月の遺産登録後も「顕著で普遍的な価値」の完全な形での保護とその価値を将来にわたって維持するための適切な管理が必要であるが、さらに、世界遺産委員会からは3項目の要請事項について対応策をまとめたレポート提出を求められている。本業務では、継続的に開催中の保全・活用のための検討会・部会の運営支援を行うとともに、要請事項の一つ「森林管理」に関するレポート作成に向けた検討会等の開催支援、その他関係する会合の記録作成等を行った。
日本の世界自然遺産は現在までに5地域が登録されているが、令和5年1月18日、屋久島環境文化財団の呼びかけで5地域の22市町村長を中心とする「世界自然遺産5地域会議」(以下「5地域会議」という。)が発足した。5地域会議では、2025年の大阪・関西万博への参加を通じて日本の自然遺産の価値と日本型自然保護システムを国内外に発信する、との目標を掲げつつ、地域間の連携を深め、各地域の持続的発展を図る、としている。当業務は、5地域会議の事務局として、組織の立ち上げ、第1回会合開催の準備と運営を支援したもの。 →詳細情報(PDF)参照
阿蘇くじゅう国立公園地域協議会では、「阿蘇くじゅう国立公園ステップアッププログラム2025」の取組の1つとして、阿蘇地域トレイル利用部会を立ち上げた。本業務は、同部会でまとめた「阿蘇トレイルに関する手引き」を基に、既存の阿蘇山上ビジターセンターHP内に「登山情報」のページを追加作成し、情報の集約・発信を行ったもの。手法としては、トレイルコースのデータや立ち入り規制情報、ルール等を抽出し、また見どころや必要装備についてわかりやすくまとめ、HP上に情報を一元化した。登山マップについても、ダウンロードもできる形式で掲載した。
阿蘇くじゅう国立公園において、阿蘇における草原観光利用は「保護と利用の好循環」を推進するために重要なコンテンツであるが、ルールの周知不足等から、無断草原立入などの違反事例が散発しており、インバウンド対応も急務であった。そこで、草原観光利用に関するルールや遵守事項を直感的に理解できるピクトグラムを合計13点作成した。作成にあたっては、環境省による公共標識(サイン類)の規定に準拠するとともに、簡潔なデザインにして分かりやすさに留意した。また、テキストを付与した場合は、多言語対応とした。
奄美大島、徳之島は、令和3年7月、沖縄島北部及び西表島とともに、世界自然遺産に登録された。2島における生物多様性の「顕著で普遍的な価値」の完全な形での保護に加え、保全と利用を通じた地域の社会・経済・環境の持続可能性の確保も求められており、本業務においては保全・活用のための検討会・部会の運営支援や「世界自然遺産奄美トレイル」推進に関する取組を支援してきた。本年度は、部会の運営支援などのほか、世界遺産委員会が遺産登録に当たって付記した要請事項に対応するために組織された「森林管理タスクフォース会合」の運営支援を行った。