平成28年4月に発生した熊本地震により、九州のシンボルとも言える国立公園阿蘇地域は大きな被害を受けた。土砂崩れや橋梁等の崩落、地割れ等が各所で発生し、自然資源や公園利用に大きな影響が生じ、その復興については、単なる復旧に留まらず、生きている大地に学び、その魅力を体験すると同時に生物多様性や循環型社会の形成まで含めた「創造的復興」をしていくことが重要であることから、環境省では、有識者による「国立公園『阿蘇』みらい創造懇談会」を設置。本業務では、懇談会の開催・運営とともに、阿蘇地域の自然を活用した創造的復興に向けた提言のとりまとめに向けて支援を行った。
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平成30年の「奄美・琉球」世界自然遺産登録の実現に向けて、平成27年度に策定した奄美群島の計画的な観光管理の方針「奄美群島持続的観光マスタープラン」等の構想に基づき、長距離自然歩道計画の奄美世界自然遺産トレイル(仮称)の推進、奄美の世界自然遺産について理解を促進するための普及啓発パンフレットの作成、奄美大島・徳之島における拠点づくりの具体化に関する検討として地域関係者の意見を聴取するアンケートの実施および勉強会の開催、南方文化研究に関する有識者ヒアリング等を行った。このほか奄美大島・徳之島で各2回、行政担当者や観光関係者・地域活動団体等で構成する自然利用部会を開催し、事業の進捗状況の共有と意見集約を行った。
奄美世界自然遺産トレイル(仮称)推進事業では、先行的に取り組む4つのモデル地区(奄美市住用町、伊仙町、和泊町、知名町)において、住民参加型ワークショップをそれぞれ3~4回開催し、トレイルコースを選定するとともに、次年度のコース開通に向けて配布・販売するトレイルマップの原稿を作成した。
(公財)日本離島センターでは、近年の都市住民を中心とした島への関心の高まり、登山人口の増大や底辺の拡大、中高年層の健康づくり志向の高まりなどを背景に、離島振興に寄与することを目的とした島の山の選定事業を企画。本業務は、選定の支援業務であり、「しま山100選」の選定が円滑に進むよう、有識者からなる選定会議の運営支援、関係市町村への候補地推薦アンケート調査、選定対象の絞り込みにかかる検討・情報整理を行った。また、公表にあたっては、見やすさやインパクトを考慮した資料作成を行うとともに、選定の趣旨が伝わるよう内容を工夫した。
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平成26年度・27年度の業務に引き続き、本年度も、小豆島町地方創生関係施策の推進に資することを目的として、島外の有識者を中心とした懇談会を開催し、「地方創生」について検討を深めた。本年度は第3回瀬戸内国際芸術祭が開催されたため、島内の会場視察を行ったうえで、国際芸術祭が地域にもたらすものについて議論を重ねた。また、追手門学院大学成熟研究所との共同研究として学生を島に派遣し、「若者から見た小豆島の生活、芸術祭、Iターンについて その課題と可能性についての調査研究」を実施した。それらの結果を踏まえ、新しい地域づくりのための「小豆島モデル」について、検討を行った。
平成26年度に策定した屋久島環境文化財団長期方針にしたがい、2つの事業を実施した。第1は、屋久島にかかわりの深い有識者として、京都大学総長 山極壽一氏を対象とするヒアリングを行い、財団の今後のあり方についての幅広い提言をいただいた。ヒアリングには小野寺浩同財団理事長、荒木耕治屋久島町長、中村耕治南日本放送社長ほかにも参加いただいた。第2は、近年島内で定着しつつある「屋久島里めぐり」(通称「里のエコツアー」=里エコ)について、各集落の参加経緯や担い手の状況等のヒアリング(別途調査)結果等に基づいて、屋久島エコツーリズム支援会議発足時からの屋久島における里めぐりの流れを整理し、今後「屋久島里めぐり推進協議会」に参加を希望する他の集落や、奄美地域での里めぐりの参考資料となるようとりまとめを行った。
奄美群島では、世界自然遺産登録の実現に向けた自然環境の保全と管理の徹底とともに、その活用を通じた地域社会の発展との両立が求められている。本業務は、世界自然遺産の登録をきっかけに奄美群島の新しい地域づくりを進めることを目的として、「自然との共生」と「地域資源の持続的利用」という2つの理念に基づき、奄美群島持続的観光マスタープランを作成し、施設整備基本構想、奄美世界自然遺産トレイル(仮称)基本構想、利用適正化の検討方針等、主な取組の構想をとりまとめた。これらの成果を得るため、有識者委員と市町村長で構成される検討会、市町村担当者と地域活動団体等から成る自然利用部会、市町村担当者や地域住民参加型のトレイル勉強会の開催・運営を支援した。
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